セックスにまつわるエトセトラ

2分で読めるセックスの秘密。

 

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月経を完全に止める避妊薬


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アメリカの食品医薬品局(FDA)は2007年、画期的な経口避妊薬を認可しました。

Etc 92

それは、Wyeth(ワイズ)社の「lybrel(リブレル)」という薬です。すでにアメリカでは発売されています。

一般的な経口避妊薬(ピル)は、21個の効き目のあるピルと7個のプラシーボ(偽薬)をパッケージし、定期的に出血が起こるような処方になっています。一方リブレルは、28日分すべてが「ピル」になっており偽薬がありません。つまり、一年間飲み続けても、一回も出血しないですむのです。

普通のピルと同様、リブレルには、血栓症、乳がん、子宮頸癌、心筋梗塞、脳卒中、うつ病の発生率が少しばかり高まるというリスクがあります。しかしながら、月経がないという点ではまったく問題がないと考えられているそうです。

実は、プラシーボを服用している時の出血は月経とは根本的に異なるもので、むしろホルモンを中断することによる症状なのです。

とはいえ、FDAでは、リブレルの販売後の追跡調査を義務付けています。

ちなみに、ピルの服用による副作用は悪いことばかりではありません。ピルの服用により、子宮内膜症の発生率が下がることが知られています。


上部割礼


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一般的に「割礼」とは、ペニスの包皮を切除し、包皮が亀頭を覆わなくなるような処置のことを指します。

Knife

ユダヤ人、エジプト人、アラブ人が「割礼」を行うことはよく知られていますが、彼らの「割礼」は通過儀礼(イニシエーション)として行われます。世界の他の地域でも通過儀礼としての「割礼」の風習が認められます。今回はオセアニアのちょっと変わった「割礼」を紹介しましょう。

オセアニアでは、「上部割礼」と呼ばれる割礼が行われます。これもアラブ地域と同様、通過儀礼として行われます。フィリピンのセブ島では、伝統的に9~10歳の少年がその「手術」を受けます。

割礼を行うために、まずペニスを竹でこしらえた道具で支えます。包皮を引っ張り、ナイフを「縦に」あてがいます。そのナイフを石などで叩くことで包皮を二股に裂くのです。つまり、「上部割礼」では包皮を縦に割るだけで切り取ることはありません。

処置後はすりおろしたココナッツで傷口を覆い、傷口がふさがるまで海水浴を奨励されるそうです。彼の地では現在でもこの風習がのこされており、病院で処置されるということです。

図(上の小さな棒片)は、大英博物館に収蔵されている割礼用のナイフです。ニューカレドニア島のものだそうです。収蔵されたのは1898年。古来この地域では、このような道具で割礼を行なってきたのでしょうね。


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ブルース効果


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ライオンや霊長類などでは「嬰児殺し」という行動が知られています。

「嬰児殺し」は生殖能力があり、幼い子供をもつメスがいる群れに、新しいボスや複数のオスが入ってきた時に起こります。

Mouse

この残酷な行動は、新しく群れに入ってきたオスが、母親であるメスに自分の子供を妊娠させるためであると考えられています。以前のボスの子供たちは、新たなオスの繁殖にとっては邪魔者でしかないのです。

ネズミの仲間では、この「嬰児殺し」をさらに進化させたと思われるような現象が知られています。その現象は、発見したイギリスの生物学者の名をとって「ブルース効果」と呼ばれています。

「ブルース効果」とは、妊娠したげっ歯類のメスが、見知らぬオスに接触されると流産するという現象です。「ブルース効果」が確認されている種は12種に及びます。ある実験では88%ものメスが、見知らぬオスとの接触によって流産したそうです。

この現象は、「どうせ見知らぬオスによって嬰児殺しをされるなら、出産や育児で無駄なエネルギーを投資するよりも、早めに流産して次のオスの子供を妊娠したほうが効率が良い」ためであると解釈されています。まさに、嬰児殺しを一歩すすめた仕組みですね。

しかし、この現象は実験室でしか確認されず、自然界でも実際に起こっているかどうかは疑問視する研究者もいるそうです。


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包茎治療は前立腺がんのリスクを下げる


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割礼や包茎治療による包皮切除は前立腺がんリスクを下げるかもしれません。といっても、これは初めてセックスする前に手術した場合だけの特典のようです。

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シアトルにあるフレッドがん研究センターのWrightらは、3000人の男性に「包皮切除をしたかどうか」また「したとしたら、いつしたのか」を質問しました。これらの3000人のうち、約半数は前立腺がんにかかっている人々でした。

その結果、包皮切除したグループでは、しなかったグループとくらべると、15%ほど前立腺がんにかかっている人の数が少ないことがわかりました。また、悪性の前立腺がんで比較すると18%も低いことがわかりました。

しかし「初体験」の後に包皮切除した人々では違いがみられなかったことから、「包皮切除によるリスクの低減」は初体験前にした場合に限定されるようです。

研究チームは、前立腺がんは性感染症による前立腺の炎症によって促進されると考えています。包皮切除は「病原菌の温床となりやすい包皮の下の粘膜層」を切除してしまうため、切除した人々のペニスでは「前立腺の炎症につながる病原菌」の増殖が抑制されているのではないかと考えられます。

この研究に関連して、たくさんのセックスパートナーを持つかセックスを高頻度で行う男性では前立腺がんのリスクが40%まで高まることが知られています。

一方、頻繁にマスターベーションする男性では前立腺がんのリスクは下がります。これらのことは、性感染症によって引き起こされる前立腺の炎症が「がん」につながる可能性を強く示しています。

もともと、宗教的儀式である「割礼」は感染症を防ぐ目的で発生したといわれています(過去記事:なぜ「割礼」が生まれたか)。そういう意味では、この研究結果も納得ですね。しかし、ほかの記事(包茎ペニスはダメなペニス?)でも書きましたが、包皮には繊細な感覚神経が多数分布していることが知られており、それを切除してしまうことはセックスでの喜びを低下させてしまうかもしれません。

切るべきか、切らざるべきか。包皮に富む男性にとっては悩ましい問題ですね。


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陰毛が縮れている理由


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日本人の多くはストレートな黒髪を持っています。しかし、そんなストレートヘアーの人でも、陰毛や脇毛は縮れています。これは何も日本人に限ったことではなく、どの人種でも共通しているようです。

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頭髪と陰毛は同じ「毛」であってもその性質はずいぶん違います。頭髪は数年間伸び続けますが、陰毛は最大一年程度で生え変わってしまいます。

頭髪の成長は女性ホルモンであるエストロジェンでコントロールされていますが、陰毛の成長は男性ホルモンであるアンドロジェンによりコントロールされています。

伸びるスピードも異なり、頭髪は1ヶ月に1センチ成長しますが、陰毛は6-8ミリほどしか成長しません。毛の断面も、頭髪は丸型ですが陰毛は楕円形だそうです。ちなみに、頭髪もくせ毛の人であれば断面は楕円形です。

それではなぜ、陰毛は縮れているのでしょうか?

この問も例によってハッキリとした答えはでていないようですが、一説によると「毛と毛の間の空間に臭いを閉じ込めるため」だそうです。

陰毛のある局部にはアポクリン腺という分泌腺があります。ここからは、異性を惹きつけるような臭いがでているのではないかと言われていますが、毛が縮れることによって毛と毛の間に空間が生まれ、その臭いを局部に止めているのではないかというのです。

真実は今後の研究を待たなければいけません。しかし、人類が進化の過程で体毛を失っていったのにもかかわらず局部に頭髪とは性質の違う毛を残したのには、なにか理由があるはずです。私たちの身体についても、分かっていないことは多いんですね。


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世界の起源


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「The origin of the world(世界の起源)」と名付けられた一枚の絵があります。

The origin of the world

この絵は1866年、フランスの写実主義の画家、ギュスターヴ・クールベによって描かれました。股を大きく開いた女性の局部をクローズアップした構図、そして「世界の起源」というタイトル。非常に印象的な作品です。

この絵はもともと、オスマントルコ帝国の外交官、カリル・ベイが個人的な趣味でオーダーしたものだそうです。彼はもともとこの絵を芸術としてよりはポルノ趣味の一環として扱っていたようで、とっておきの客だけに見せびらかすようなやりかたで鑑賞していたそうです。その後、様々な人の手にわたり、現在はオルセー美術館に収蔵されています。

その長い歴史の中で、この絵は「性の理解や開放のための運動」あるいは「芸術とポルノの境界問題」を象徴するようになったようで、現在では世界中でこの絵をめぐる騒動が引き起こされています。

1994年には、フランスで、この絵を本の表紙絵にした小説が警察の圧力により店頭展示から外され、大きな物議をかもしました。同様の事件は2009年のポルトガルでも起こっています。

さらに2011年には、この絵をfacebookにアップロードしたアーティストが運営者から警告を受け、アカウントが停止されるという出来事も起こっています。このfacebookによる措置は批判を集め、多くのfacebookユーザーが自分のプロフィール画像をこの絵に差し替え、抗議したそうです。今はそのアーティストのアカウントは使えるようになったそうですが、「ポルノ画像をアップロードしないという条件つき」だとか。

絵の歴史的経緯にしても現在の騒動にしても、「芸術は見る人によって意味が変わる」のがよくわかりますね。

ちなみにこの絵は、オルセー美術館のポストカードの売上ではルノワールの「Bal du moulin de la Galette(ムーラン・ド・ラ・ギャレット)」についで2位だそうです。


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セックスとオナニーでは精液の質が変わる


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「セックスでもマスターベーションでも射精という行為に変わりはない、わざわざ女性とセックスするなんて面倒くさい」

Masturbation

世の中には、そんなことを言う男性もいるそうです。しかし、それは本当なのでしょうか?マスターベーションとセックスには違いは無いのでしょうか?どうやら、身体はそうは思っていないようです。

ベルギーの研究者Gerrisは、セックスによって得られた精液とマスターベーションによって得られた精液の質を比較する研究を行なっています。一連の研究によると、マスターベーションによるものと比較して、セックスで射精された精液の中には、70~120%も多い精子が含まれているそうです。精液の量自体も増えます。前立腺からの分泌液が25~45%も増えるそうです。

また、運動性も形態も、セックスで射精された精子のほうが質が高いそうです。。

しかしながら、なぜ実際のセックスのほうが精液の質が上昇するのかは分かっていません。セックスという行為の中にマスターベーションとは違う、なんらかの因子があるはずなのですが、それはまだ明らかにされていません。

いずれにせよ、身体は「セックスとマスターベーションは別物」と認識するのは間違いないようです。


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なぜ女性は生理前に憂鬱になるのか?


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生理が近づくといつもと調子が変わる女性がいます。2011年3月、京都大学の研究者たちが「生理期の女性の微妙な変化を捉える」ための、よくデザインされた実験手法を発表しました。

以下、プレスリリースの引用です。

閉経前の成人女性の大多数は排卵後の生理がちかづく時期になると、多少とも気分がおちこんだり、鬱になったりすることは以前からよく知られています。欧米ではPMS(前メンス症候群)という診断名が流布しています。しかし、いままでその判断は本人への質問紙による、主観的な気分の表現のききとりにとどまり、気分の変化を客観的にとらえる試みはまったく行われてきませんでした。

最近、正高信男 霊長類研究所教授らは、60人の29~30歳の健康な独身女性を対象に生理後5日(卵胞期)、13日(排卵期)、25日(黄体期)に8枚の花の写真と1枚の蛇の写真を同時にみせ、そのなかから蛇の写真を正しくできるだけ迅速にみつけだすという視覚探索課題の実験をおこない、その成績を比較する実験をおこないました。その結果、黄体期には卵胞期、排卵期にくらべ、蛇の発見が早くなる事実をみいだしました。

おもしろいことに、反対に8枚の蛇の写真と1枚の花の写真を同時にみせ、そのなかから花の写真をみつけだす成績には変化がありません。嫌悪刺激に対する感受性だけが、生理前に特異的に亢進すると考えられます。この手法は、人間の不安状態を簡易にかつ信頼性が高い状態で計測する可能性をひらいたものと考えられます。


蛇の画像を見つけ出すスピードが早くなったということですが、論文を読んでみるとその差はわずか0.2秒だそうです。非常に微妙な変化をとらえた実験なんですね。

この「前メンス症候群」は生理がくると消失しますが、妊娠して生理が来ない場合はその症状は持続するそうです。

このことから研究者たちは、「ヘビをより早く発見する能力の高まり」は「妊娠した母体を外敵から守るための準備」だと考えているようです。そうだとすると、女性の身体はよくできていますよね。


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思春期のセックスが人生を変える?


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完全に成熟する前、人間でいうと「思春期」にセックスした場合、その後の神経や体の発達に悪影響を与える可能性があるという研究が、2011年にオハイオ州立大学の研究者らによって発表されました。

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研究者たちは、人間でいうと思春期にあたる誕生後40日の雄ハムスターをメスのハムスターを交尾させました。そして、その雄ハムスターを成長させ、若いうちに交尾していない普通のハムスターと比べました。

その結果、思春期に交尾したハムスターには、普通のハムスターと比べて「抑うつ的な行動」「成長の抑制」「小さな生殖組織」「未発達な脳組織」というネガティブな影響が見出されたのです。

さらに、思春期に交尾したハムスターの脳の一部では、「インターロイキン1(IL-1)」という「炎症」に関わっているとされる遺伝子が高いレベルで発現していました。これは、脳で炎症が起こっている可能性を示しています。

そのうえ、それらのハムスターには「自己免疫疾患」の兆候すらありました。自己免疫疾患は自分自身の細胞を異物として免疫システムが攻撃してしまう病気ですね。

これらのネガティブな影響は、実際の身体の損傷に結びつくほどは強くありませんでした。しかし、これらの影響は「思春期のセックス」がストレスとして発達途中の身体に認識された結果ではないかと考えられます。

「思春期におけるセックス」の研究は、以前は主に女性を対象に行われていました。また、その手法もアンケート調査によるものが主体でした。今回の実験は動物実験ではありますが、生理学的実験手法を用いています。そこが非常に斬新なところです。

人間でも、思春期において脳や神経が劇的に発達することが知られています。この研究はハムスターを使った動物実験ですが、研究者たちは人間にも適用できるのではないかと考えています。


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女性器による魔除け


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世界のさまざまな地域で、「女性器による魔除け」の風習があったことが知られています。

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たとえば、17世紀のフランスの詩人Jean de la Fontaine(ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ)は創作した寓話の中で、女性が女性器を見せつけることにより悪魔を追い払うシーンを描いています。

女性器を見せつけられた悪魔はそれを恐れて退散し、彼女は村を守ったという物語です。

そればかりではありません、古代ギリシャではおおぜいの女性がスカートをめくりあげて生殖器を露出させ、ペルシャ軍を撤退させた伝説が残されています。

アフリカでは現代でもそのような慣習が残されているそうです。カメルーン西部に住むコム人の社会では、「アンルー」という生殖器を見せつける風習があります。「アンルー」とは「追い払う」という意味で、女性をいじめるか罵るような罪を犯した男性に懲罰を与えるための風習です。

なんでも、おおぜいの女性で罪を犯した男を取り囲み、歌を歌い激しいダンスをしながら生殖器を見せつけるとか。

1958年には7000人の女性たちが立ち上がり、「アンルー」により政府に対し抗議をおこなった結果、交渉に勝利したという記録が残されています。

おそらく、このような女性器により「悪い物を払う」という信仰は、「命を生み出す女性器の力」に対する崇拝から生じたものなのでしょうね。


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女性のオーガズムまとめ


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さて、前回までの記事で、なぜ女性にオーガズムが存在するのか、現在提唱されている主要な説を書いてきました。

Etc 96

どの説も、帯に短しタスキに長しといった感じで、決定的な証拠を提示できなかったのがわかるかと思います。

その中でも最後の「擬似男性的反応説」は一番もっともらしいのですが、それにしても「クリトリスオーガズム」を中心に考えすぎているという欠点がありました。

ただ、オーガズム説をまとめてみて、どの説も「男性が女性のオーガズムを求めている」という視点が欠けているように感じます。少なくとも現代社会においては「女性がオーガズムを感じること」に重点を置いている男性が多数いるはずです。

現代では、女性のオーガズムは男性の自信を深める役割がありそうです。それを知ってか知らずか、女性が取る行動が「イッたふり」です。

ドイツの研究者グループが行った調査では、90%もの女性がセックスの際に「イッたふり」をすると答えたそうです。ロビン・ベイカーの行った調査では、二人同時にオーガズムに達した頻度をカップルの双方に質問すると、男性のほうが高い数字をあげたそうです。

優しい嘘なのでしょうか。

しかし、そのウソは男性に誤ったシグナルを出す可能性が指摘されています。見当違いのセックスをしている男性に向かって「そのやり方が正しい」というメッセージを送ってしまっているかもしれないのです。

生物学的なオーガズムの意味に答えは出せなくとも、現代社会では女性のオーガズムは理想化され、オーガズムを得られない女性に不必要なプレッシャーを与えてしまっているのは確かでしょう。

すべての女性が性交によってオーガズムを得られるわけではないこと、そもそも男性と比べてその頻度が低いことを理解し、今こそオーガズム中心主義のセックスからの脱却が必要なのではないでしょうか。


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8)擬似男性的反応説


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女性のオーガズムの謎、8回目です。今回の説は「擬似男性的反応」説です。

Etc 90

人類学者のドナルド・サイモンズは、女性のオーガズムは必要があって発達したものではない、と主張しています。むしろ、女性のオーガズムは男性の「乳首」のようなものだと。女性の場合、授乳のために発達した乳首を持っていますが、男性は授乳する必要がないのにもかかわらず、小さな乳首を持っています。

ペニスもクリトリスも胎児期の相同の組織から発達することは以前紹介しました。男性のペニスは繁殖のために大きく発達しますが、女性のクリトリスは小さいままです。しかし、感覚神経は男性と同じようにあります。このことから、この説では、女性のクリトリスには「オーガズムに至る潜在能力が残されている」という考えます。

女性のオーガズムには生物学的な意味はなく、副産物的な「能力」である、というわけですね。

この説では、他の説では説明できないことも難なく説明できます。オーガズムに達することのできない女性の存在も副産物的な能力であると考えれば納得です。

また、なぜ動物の中で人間の女性だけがハッキリとしたオーガズムを持っているのかも説明できます。人間の男性は他の動物よりも極端に「性欲が強い」とされていますが、女性のオーガズム能力が男性のものから「派生した」と考えると、女性のオーガズム能力もそれにつられて上昇したと考えられるでしょう。


しかし、この説を主張している研究者の多くは「オーガズムはクリトリスによってしか得られない」と考えているようです。実際には膣への刺激によってもオーガズムに達する女性がいることが知られていますし、膣による性感とクリトリスによる性感では脳の異なった領域が活性化することが知られています。

膣でのオーガズムを「男性から派生した能力」と考えるのは少しばかり乱暴なように思います。とはいえ、今のところこの説は、女性のオーガズムをもっとも上手く説明しているようです。


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7)吸い込み説


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女性のオーガズムにはどのような意味があるのか、7回目は「吸い込み説」です。

この説はイギリスの生物学者ロビン・ベイカーとマーク・ベリスによって提唱されました。ロビン・ベーカーは「精子戦争」の著者で、この本は世界中で話題になりました。「精子戦争」は、この説を中心として書かれた本ですから、そういう関係もあって、この説は非常に有名です。

Etc 179それでは「吸い込み説」はどういうものなのでしょうか?この説は、オーガズム時に膣が強く収縮し、それによって子宮内に陰圧が生じ、射精された精子が子宮内に吸い込まれる、というものです。

この説の革新的なところは、どの男性の精子を受精させるかを「女性側」がコントロールできるという点です。お気に入りの男性とのセックスで、選択的にオーガズムに達すればいいわけですから。

これを裏付けるような研究もあります。ニューメキシコ大学のランディ・ソーンヒルは、ヘテロセクシャルのカップル86組の男性側の外見を詳細に解析しました。そしてその後、パートナーの女性がセックスによってオーガズムに達する頻度を調べたのです。その結果は、「男性のシンメトリー度(左右対称性)が高いほど女性はオーガズムに達しやすい」というものでした。

生物にとって、「身体の左右対称性」は強い生命力や生殖能力をもっていることの証明なのだそうです。すなわち、優れた遺伝的形質を持っている相手とのセックスほど女性はオーガズムに達しやすい、と考えられるのです。

「女性がオーガズムによって相手の男性を選択できる」

いままで受胎に関しては受け身の存在と考えられてきた女性たちにとっては、この説は非常に新しいものです。

しかし、この説もやはりほかの説と同様に欠点があるのです。

第一に、この説ではレイプ被害による妊娠率の高さを説明できません。レイプはオーガズムとは程遠いセックスの形態ですが、なぜか被害者の妊娠率が正常のセックスよりも高いのです(この問題についてはまた後で記事にします)。

第二に、妊娠に適した若い女性よりも、妊娠しにくい中年の女性のほうがオーガズムに達しやすいことが知られています。オーガズムが受胎と密接に関わっているのなら、このデータと矛盾してしまいます。

第三に、ベイカーらの研究およびソーンヒルの研究には問題があるようです。実際には、様々な研究者らの研究から、オーガズムによって精子が「吸い込まれる」現象は全く観察されていません。また、ソーンヒルの研究では「男性側の回答」も結果に組み込まれて閉まっているそうです。「パートナーはイッた?」「うん、イカセたよ」という自己申告では研究としてはちょっと問題がありますよね。男性はペニス長も大きめに自己申告することが知られていますし……。

というわけで、魅力的なこの説も決定的なオーガズム説とは言えないようですね。


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6)女性はもともと乱交好きだった説


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女性のオーガズムにはどのような意味があるのか、6回目です。前回、前々回は「男女の絆」説「優れた男性検知器」説を紹介しました。これらの説は、「女性は時々得られるオーガズムによってパートナーに繋ぎとめられる」という考え方に基づくものです。

しかしながら、これとは正反対に「たまにしか得られないオーガズムによって、女性は乱交に駆りたてられる」という考え方も成り立つのです。というわけで、今回は「女性はもともと乱交好きだった」説を紹介します。


Etc 88この説はチンパンジーなど、霊長類のメスの観察から、カリフォルニア大学のサラ・ハーディによって提唱されました。

霊長類の群れでは、ボスが変わると前任のボスの子供を殺してしまう行動がたびたび認められます。前のボスの子供を殺して子育てから切り離すことでメスを発情させ、自分の子供を産ませるのです。これは自分の遺伝子を広めようとする行動です。

チンパンジーのメスは発情期に複数のオスと交尾することにより「子殺し」を回避します。

メスが複数のオスと交尾していたら、生まれてくる子供は誰の子供かわからなくなります。そのような場合は、乱交に参加したオスは誰でも自分が子供の父親である可能性があるため、子供を大事にせざるをえないのです。メスにとっては「自分の子供を守るための乱交」というわけですね。


「女性はもともと乱交好きだった」説は、人間の女性もかつてはチンパンジーと同じように乱交だったと考えます。

そしてその行動には、ときどきしか得られないオーガズムが重要な役割を果たすと考えられるのです。つまり女性は「オーガズムを求めて、オーガズムに達するまで次々と複数のパートナーとセックスする」という考え方です。行動は正反対ですが、「ジャックポット説」に似ていますね。


しかし、この説もジャックポット説と同様の欠点があります。オーガズムが女性をセックスに駆り立てるという証拠は一切報告されていないのです。むしろ、女性はオーガズムのためにセックスをするよりは、パートナーへの愛情のためにセックスをすることが様々な調査から明らかになっています。

視点によって変わるオーガズム論。なかなか難しいですね。
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5)優れた男性検知器説


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なぜ女性にオーガズムが存在するのか、第5回目は「オーガズムは優れた男性検知器」説です。


Etc 172この説は、「優れた男性を選び出すためにオーガズムが存在する」という説です。つまり、女性はオーガズムによって女性の性的満足を満たしてくれるように努力する男性を選び出す、という考え方です。オーガズムは検知器であるというわけですね。そのようなマメな男性はきっと子育てのパートナーとしてもふさわしいでしょう。

この説によると、オーガズムは、いかに男性が誠実に愛情を示してくれるか、生まれてくる子供の父親としてふさわしいか、女性にとっての判断材料になるのです。

この説は、女性のオーガズムが低頻度でしかおこらない理由を上手く説明しています。オーガズムが検知器だとすると、いつもオーガズムに達するようでは都合が悪く、むしろ「ふさわしい相手」の時だけ得られるものでなくてはならないのです。

しかし、この説には欠点があります。

この説によると、女性は「セックステクニックによって男性を判断する」ということになります。しかしさまざまな調査から、女性がセックスをするのは、オーガズムに対する期待からではなくパートナーに対する愛情によるものであることがわかっています。

また、現時点では、この説を裏付けるような実証的な研究はほとんどありません。そういうわけで、この説も女性のオーガズムを説明するには不十分なようです。
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4)男女の絆説


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さあ、女性にオーガズムが存在する理由4回目です。今回の説は「男女の絆」説です。


Etc 132この説はイギリスの動物学者デズモンド・モリスによって提唱されました。内容は「男女ともにオーガズムがあることによって深く結びつくことができる」というものです。

人間の子供は非常に未熟な状態で生まれてきます。子育てには時間も手間もかかります。進化の過程で、女性が一年中セックスできるようになったのも、オーガズムに達することができるようになったのも、パートナーとの結びつきを深め共に子育てをするためである、というわけですね。

この説によると、オーガズムは男女の結びつきを深める役割を果たしていることになります。ロマンティックな説ですね。

しかし、もしオーガズムが男女関係の潤滑剤として重要ならば、女性の体はもっと簡単にオーガズムを感じるように進化したはずです。実際には、ペニスの挿入によってオーガズムに達することができる女性はほとんどいないことが知られています。

また、この説では、オーガズムの快感をもとめて浮気する人々の存在を無視しているようです。一人のパートナーとの関係が長く続くと性欲が低下する「クーリッジ効果」と呼ばれる事実があります。オーガズムの快感はパートナーとの絆よりも他の女性との浮気をうながすように働くのです。


そういう意味では、この説は少しばかり希望的すぎるようですね。
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3)ジャックポット説


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女性のオーガズムはなぜ存在するのか、3番目に紹介するのは「ジャックポット説」です。ジャックポットはカジノなどでの大当たりのことですが、この説は女性のオーガズムをそれに例えたものです。


Etc 166この説はイギリスの心理学者グレン・ウィルソンによって提唱されました。

心理学では「ご褒美」を毎回もらうよりも、「時々」もらう場合のほうが学習効果が高いことがよく知られています。

これはどういうことでしょうか。例えば、ボタンを押すとお菓子が出るような2つの装置にネズミをそれぞれ入れるとします。片方の装置は「押せばかならず出る」ようにセットされ、もう片方は「押しても時々しか出ない」ようにセットします。そしてある時、突然、どちらの装置も「押しても全くでない」ようにするのです。

そうすると、「必ず出るボタン」で学習したネズミはすぐに諦めてしまうようになるにもかかわらず、「時々のボタン」で学習したネズミはなかなかあきらめず、長時間の困窮に耐えてボタンを押し続けるのです。

パチンコなどのギャンブル中毒を考えていただくとわかりやすいかも知れません。


つまり、ウィルソンによると「女性のオーガズムはジャックポットのように低頻度でしか起こらないからこそ、女性は夢中になり性行為を繰り返す」のです。

この説は、女性にオーガズムが存在する理由、そしてオーガズムを低頻度でしか得られない理由を説明できるという点で優れています。

しかし、この説にもやはり欠点があるのです。人間以外の動物のメスにはオーガズムがほとんど観察できないことは以前の記事で紹介しましたが、この説では、オーガズムがなぜ人間の女性だけにあるのか説明できないのです。また、オーガズムを全く得られない女性も存在するという事実についても説明できません。


というわけで、この説も不十分のようです。「生物学的に」女性のオーガズムを解釈するのは実に難しいことなんですね。
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